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アスリートと語るまちづくり「子育て」でつなげる笑顔の輪!★スポーツフューチャーセンターうれしの第3回セッション報告

2024年2月19日(月)に「スポーツフューチャーセンターうれしの」第3回目のセッションを嬉野温泉駅前 観光交流施設 まるくアイズでおこないました。

今回は、【宿泊型ケア事業、駄菓子屋、預かり事業など、民間ができる子どもたちの居場所づくりとは?】を「問」として設定しセッションをおこないました。

セッションの始めに、嬉野市塩田町にある楠風館でこどもセンターリュッケ(子育てひろば)を運営されている長尾千夏さんから今回のテーマである「子育て」の現状や思いを語っていただきました。

実際に多くのパパやママと接する中で感じるのは、みんな真面目に子育てに関わっているのだけれど、「自分たちでやらないといけない」と力が入りすぎていっぱいいっぱいになってしまっている様子だそう。周囲の力も借りてリラックスしたほうが子育てがもっと楽しいものになるのにと感じているそう。

地域や社会や企業などができる子育てを考えると、例えば育休明けなどで子どもの体調が悪くて休まないといけない時などに有給休暇を取りやすい環境を作ったり、子どもがぐずって出勤時間に遅れそうな時や急な発熱などで早退しないといけない時などにフレキシブルな勤務体系や休みやすい雰囲気を作るなど、たくさんの企業の理解が増えればと願っているそう。

もう少し大きな年齢、小中高校生になってくると、Wifiが使えて安全な子どもの居場所はあるんだろうか?とも考えられているそうで、勉強したい子や遊びたい子など自由にすごせながらも、干渉しすぎない大人の目が入ることが重要で、子どもが困ったときにちょっと相談できる大人がいるような地域の居場所ができればいいなとも思っているそう。

嬉野市は子育てに対して早くから力を入れていて、高校生までの医療費補助は佐賀県でも1・2を争うぐらい早くから取り組んでいたし、保育園の待機児童がほぼおらず、年度途中からでも入園できるのは保護者にとって安心できる材料なのだとか。

色々な年齢の子どもが遊べる全天候型の遊び場や、気楽に寄れる食事付きの産後ケアセンターがあればなお良くて、地域においても、スーパーなどで見かけた時に気軽に挨拶できるような人が増えればいいなとも思っているそう。


次にお話いただいたのは、元バレーボール日本代表で双子のお子さんを育てておられるアスリートの大山加奈さん。

大山さんは、ちょうど3年前に双子のお子さんを出産されたそうで、この3年間は必死に子育てされてきたそう。
双子のお子さんは、5年間の治療を経て授かったそうで、もっと子育てを堪能したいと思っていたけれど必死すぎてあまり記憶に残っていないとのこと。

ご近所の方の力を借りながら幸せに子育てできているという大山さん。
子どもの沐浴や成長してからの入浴のお手伝いなどもお願いされていたそう。

また、お住まいの区では、産後ドゥーラさん(※産後ドゥーラとは、産前産後の女性が健康な心身で過ごせるように寄り添い、優しさや愛情をたくさん注いでくれる存在。 「ドゥーラ」はギリシャ語で、「他の女性を支援する」「経験豊かな女性」という意味。)やヘルパーさん利用への助成が手厚く、産後ドゥーラさんには度々お世話になったそうで、入浴のお手伝いや食事を作ってもらったり、子守などで支援してもらう間に昼寝ができるなど元気に子育てができたそう。

一番助けてもらっているご近所さんは、犬が集まる床屋のお姉さんで、柴犬を飼い始めて仲良くなってからお手伝いしてもらっているそう。
他にも犬仲間のご近所さんがたくさんいて、犬の散歩を手伝ってくれたりしているそう。

子育てしていて感じるのは、たくさんの人に手伝ってもらっているということで、スーパーで会計後のカゴを袋詰コーナーに運んでもらうだけでも物凄くありがたく感謝しているとのこと。特に双子用のベビーカーは片手で押せないのでちょっとしたことでも助かっているそう。

子育てしていると、外出したり食事に行くことのハードルが高く、子連れでも歓迎してもらえる空気感を出してもらえるだけでもありがたいと感じるそう。
子どもが泣いたらどうしようとか、迷惑かけたらどうしようとか考えてしまい、諦めることも多かったとのこと。
諦めることが増えると、気が張ってリラックスもできないので、ちょっとお茶するとか、ちょっと買い物するとかのハードルがもっと下がればいいなと思われるそうで、子どもが泣いても大丈夫だったり、ベビーカーを押して入れるぐらいのスペースや席があると安心できて嬉しいそう。

ニュースにもなってしまたけれども、公共交通機関を利用するにもハードルが高く、バスに乗るにも、改札をくぐるにも大変な思いをしないといけないことが多いそう。
双子用のベビーカーでは、そもそも改札を通れなかったり、ちょっとした段差や階段も大きな障壁となり、エレベーターが無いとその先を諦めないといけないこともあるのだとか。

そんなことがあり、最終的に公園などに落ち着くけれど、午前中は近所の保育園の子どもたちが多くて入れなかったりするので、お昼ごはんの時間を狙って行ったりすののだとか。
雨でも遊べる児童館にも大変お世話になっているそう。

近所の床屋さんも、指人形がたくさんあって子どもたちが自由に遊べたり、集まることへの抵抗もなく快く自然に受け入れてくれており、地域のハブにもなっていて、知り合いが増えたりもしてありがたい存在で、街にそんな場所がもっと増えたらいいなと話されていました。


お二人の思いをうかがったあとは、フューチャーセッションの時間。

隣の人とペアを組んで、10年後の嬉野の子育ての未来を考えながら、自分が今から出来ることを考え、それぞれ対話していきます。

次は4人組づつに分かれて、「今のあなたが今から」できる・すべき・したいことを考えワークシートに記入していきます。

書き終わったら、お互いのアクションを共有しながら、そのアクションがより具体的・明確になるよう周囲がアドバイスしていきます。

グループメンバーをシャッフルして共有とアドバイスを数回繰り返します。

その後、ブラッシュアップされた自分ができるアクションを「今から自分ができること」として普段の生活に持ち帰り実行していこう!ということを確認し合いました。

次は、マグネットテーブルです。
ともに動き出すため、自分ができることを参加者全員に見せ合い、「似たことを書いている人」「一緒になると化学反応を起こせそうな人」「自分のアクションを捨ててでも一緒にやりたいと思える案を書いている人」探してグループを作ります。

チームが決まったら、それぞれのアクションを掛け合わせるとどんなことが出来るのかを話し合い、5W1H(When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」)でまとめ紙に書き出していきます。

作業が終わったら、それぞれのグループのアクションを他の参加者に見てもらいアドバイスを出し合います。

アドバイスし合ったら、元のグループに戻り他の参加者からのフィードバックを元にグループのアクションをブラッシュアップしていきます。

ブラッシュアップが終わったら、それぞれのアクションを全参加者に共有していきます。

最初のグループは「駅前でのスタンプラリーウォーキング」を発案され、子どもと一緒に忍者の格好をして歩くなど、親子で楽しい体験を共有できるようにしようというものでした。

次のグループのアクションは「子どもたちの居場所マップ作り」。
シーボルトの湯の2階の休憩所や各地区コミュニティセンター、コンビニのイートインスペースなどの空間を活用して、大人の目がありながら子どもたちが自由に過ごせる場所を作り出し、それをマップやアプリでわかりやすくすればどうかというものでした。

次のグループは、「既存施設を開放して子どもが遊べる広場を作る」というアイデアを発案されました。
地区の公民館などを活用し、区長さんやおじいさん、おばあさんなど大人が見守りながら、子どもが遊べる場所を作っていこうというものでした。

最後のチームのアクションは、「子どもの心を結ぶ、おむすびプロジェクト」。
自分たちの店を始めとして、他の店舗などにも協力を仰ぎながら、子どもが立ち寄って大人と一緒におむすびを握り遊べる居場所やお迎えの待機場所を作るというものでした。

今回のセッションでは、たくさんの「子どもの居場所」候補が生まれました。

最後に、セッションのまとめとして「今日のアイデア」を市民のたくさんの人に知ってもらい、自分たちも自律分散的なアクションにつなげていくということを確認しました。

大山さんからは、「自分にとっても得るものの多い時間となり、参加者のみなさんが本気で子どもたちのために考えている姿を見て、自分でもアクションを起こす勇気をもらった。」という感想を。
長尾さんからは、「嬉野には子育て支援について真剣に考えてくれている人たちがたくさん居るということを、子育て中のご家族に伝えたい。手伝ってくれる人がいっぱいいることを話して行きたい。」という感想をいただきました。

何回も書かせていただいていますが、このスポーツフューチャーセンターという取り組みは、すぐに成果が出る性質のものではないかもしれません。
ただ、この一歩が次の一歩につながり、長い道のりかもしれませんが気づけば街や人や産業が元気になっていたというとこまで到達するきっかけとなることを願って、令和6年度もこのスポーツフューチャーセンターの取り組みを続けていきます。
これからもこの取り組みにご注目いただきますようお願いいたします。。